長寿社会においては「介護」は誰にでも、どの家庭にも起こり得る課題です。長寿社会を安心して生きていくためには、「老後保障」とともに将来起こり得る「介護保障」も視野に入れることが大切です。

要介護者の発生率は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では27.0%、85歳以上では59.3%となっています。

年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合

40~64歳、0.4%。65~69歳、2.9%。70~74歳、5.6%。75~79歳、12.6%。80~84歳、27.0%。85歳以上、59.3%。

厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」、総務省「人口推計月報」の各2020年7月データを元に作成

公的介護保険制度で平成28年度末現在に要支援1~要介護5と認定されている人は、

65歳以上75歳未満の第1号被保険者数17,453,524人中、745,464人で、4.3%。

75歳以上の第1号被保険者数16,951,471人中、5,441,398人で、32.1%。

  • 65歳以上75歳未満 → 4.3%
  • 75歳以上 → 32.1%
  総数 65歳以上75歳未満 75歳以上
第1号被保険者数 34,404,995人 17,453,524人 16,951,471人
認定者数 要支援1 879,206人 2.6% 121,360人 0.7% 757,846人 4.5%
要支援2 848,570人 2.5% 117,571人 0.7% 730,999人 4.3%
要介護1 1,237,436人 3.6% 140,217人 0.8% 1,097,219人 6.5%
要介護2 1,074,655人 3.1% 132,542人 0.8% 942,113人 5.6%
要介護3 813,906人 2.4% 89,300人 0.5% 724,606人 4.3%
要介護4 749,254人 2.2% 76,325人 0.4% 672,929人 4.0%
要介護5 583,835人 1.7% 68,149人 0.4% 515,686人 3.0%
合計 6,186,862人 18.0% 745,464人 4.3% 5,441,398人 32.1%

■要介護・要支援に認定される確率の根拠
厚生労働省 平成28年度 介護保険事業状況報告(年報)「第2表 都道府県別 第1号被保険者数(年度末現在)」「第4-1-1表 都道府県別 要介護(要支援)認定者数 男女計」より
年齢グループごとの認定者を、年齢グループごとの第1号被保険者数で割って、小数点第二位を四捨五入

公的介護保険制度は平成12年(2000年)4月にスタートした、介護の負担をみんなで助け合いましょうという制度です。

高齢者が介護が必要になったとしても、自立した生活をおくれることを目指しています。

40歳以上の人が全て加入しています。

介護保険料を納めて介護が必要であると認定されると、介護度ごとに介護予防サービスや介護サービスを受けることができます。

それぞれの介護度に利用限度額があり、所得に応じて限度額の1~2割の自己負担でサービスを利用できます。

限度額を超えてサービスを利用した時は、超えた分が全額自己負担となります。

65歳以上の人は「第1号被保険者」、40~60歳の人は「第2号被保険者」となります。

 

介護予防サービスの利用限度額
要介護状態区分等
(介護度)
利用限度額(1カ月) 自己負担額
(1割の場合)
要支援1 50,030円 5,003円
要支援2 104,730円 10,473円

 

居宅介護サービスの利用限度額
要介護状態区分等
(介護度)
利用限度額(1カ月) 自己負担額
(1割の場合)
要介護1 166,920円 16,692円
要介護2 196,160円 19,616円
要介護3 269,310円 26,931円
要介護4 308,060円 30,806円
要介護5 360,650円 36,065円

 

介護状態の目安
要介護状態区分等
(介護度)
要介護の状態(例)
自立 歩くことや起き上がりなどの日常生活上の基本動作を自分で行うことが可能であり、かつ、手段的日常生活(※2)を行う能力がある状態
要支援1 日常生活上の基本動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、予防給付(※4)を要する状態
要支援2 要支援1の状態から、手段的日常生活活動(※3)を行う能力がわずかに低下し、何らかの支援が必要となる状態で、部分的な介護が必要な状態にあるが、予防給付(※4)を要する状態
要介護1 要支援2の状態から、手段的日常生活動作(※3)を行う能力がさらに低下し部分的介護が必要で、予防給付(※4)の理解が困難な状態
要介護2 要介護1の状態に加え、日常生活動作(※2)についても部分的な介護が必要となる状態
要介護3 要介護2に比べ日常生活動作(※2)および手段的日常生活動作(※3)の両方が著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態
要介護4 要介護3に加え、さらに動作能力(※1)が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難な状態
要介護5 介護4の状態よりさらに動作能力(※1)が低下し、介護なしには日常生活をおこなうことがほぼ不可能な状態

 
※1)動作能力とは…「寝返り・起き上がり・座る・立つ・歩く」などの動作を行う能力。
※2)日常生活動作とは
…日常生活を送るために最低限必要な動作で、「食事・更衣・排泄・入浴」などの動作のことです。
※3)手段的日常生活動作とは…日常生活動作より複雑な動作で「掃除・料理・洗濯・薬を飲む・電話の利用・金銭の管理」などの動作のことです。
※4)予防給付とは…現在の状態の悪化を防止し、要介護状態となることを予防したり、改善を見込んだ支援。
一緒に食事の準備をしたり、掃除をしたりして、予防や改善を目指すものです。

 

介護への備えは、自分の貯蓄で準備すべきだと思います。

保険は条件付きの財産を作るということなので、利用条件が「介護」に限定された財産を作っていくよりも、自由度を持って財産を作っていく方が合理的だからです。

貯蓄性のある保険で何もなければ、取り崩せば良いという意見もあると思いますが、それならなおの事、自分で貯めた方が良いと思います。

Check!

保険でお金を貯めるのは時代に合っていない!?
保険でお金を貯めてはいけない3つの理由

 
若い年齢で介護状態になってしまうというリスクも、もちろんありますが、そのリスクに対して、支払う保険料が僕は高いと感じます。

 

注意

保険が必要ない = 備えが必要ない と勘違いしてはいけません。

生きている限り、リスクをゼロにすることはできません。

その備えは、必要です。

その方法が保険ではないという話で、

保険が必要ない = 自ら準備して備える という事です。